尊厳を守るということ。
3月26日、31日で97歳を迎えようとしていた義理の祖母がグループホームにて亡くなりました。
貧血が進行し、浮腫も増大しており…本人の負担を考慮して詳しい検査はしなかったのですが、恐らく腫瘍があるだろうとの主治医の判断でした。この2週間程は状態が急激に悪化し、徐々に食事もとれなくなっていました…心不全による浮腫みと血流の悪さから両下腿に潰瘍が多数できており、処置のために訪問看護の使用が始まったのは亡くなる前日でした。
グループホームに入居したのは約2年前でした。入居前は老人保健施設に入所していましたが、口にするのもはばかれるほど…劣悪の環境で、こちらに迎えいれました。その時から歩行器を使用して歩行していたのですが、状態が悪化したこの2週間での歩行器での歩行は悩むところでした。貧血が進んだ本人にとって歩行をすることは負担なのか…しかし血流が悪いので、歩行を止めてしまうと浮腫みも増す‥・また、下肢筋力が落ちることでトイレでの排泄も困難になる…悩みながら現場と相談をして、ぎりぎりまで歩行器での歩行をし、亡くなる前日までトイレにて2人介助で排泄をしていました。完全なオムツ使用になったのは亡くなる当日でした。
亡くなる当日も、車椅子へ移乗し、ホールにて、アイスを食べ、スポンジでジュースを口に含んでいました。下腿の潰瘍の処置のためスタッフ2名にて対応していたところ、そのまますっと亡くなりました。舅が立ち会えなかったことは残念でしたが、最期まで本人らしい生活を送ることができたように思います。お看取りの後のエンゼルケアにおいても、介護の基本に忠実に本人に声をかけながら丁寧に清拭してくれたスタッフには感謝の思いでいっぱいです。
『尊厳を守る』って、難しいことのように思われがちですが、最期までトイレにて排泄ができる、口から食べることができる、エンゼルケアでも声をかけてもらえる・・・私の祖母は尊厳を守られながら最期を迎えることができ、入居者の家族としてもそれを実感しました。家族として感じたことをスタッフに伝え、改めて『尊厳を守る』ケアについて考えていこうと思います。
追伸:エンゼルケアの最中に風邪をひくから早くしよう、風邪をひいたかもしれないから解熱剤を用意しよう…なんて笑い話もありました。
03/29/2022 木瀬