お知らせ

理想論と言われますが…【来夢来灯】

ある入居者様が歩行器での歩行をしていたのですが、昨年末より本人が膝や腰を痛がるとの訴えから始まり…陥入爪にて痛みがあるので歩行車での歩行ではなく、車椅子での移動となっていました。

その様子をずっと伺っていたのですが、なかなか歩行車での歩行が始まらず…主治医に報告すると「本人の意欲がないならしょうがないのでは」との返答。う~む。

このままでは、歩く機会がなくなり、拘縮に伴い膝などの痛みが増すのでは、と懸念しております。ユニットリーダーに歩行車での歩行を始めるよう促す。さて、始まるでしょうか…

ケアは、その人の機能を支えるものであって、機能を奪ってはいけないと思います。ケアの仕方、考え方によっては、その人のできる力を奪うことって意外と容易いことだったりします。歩行できる人を車椅子での移動にすることで歩行する機能を奪います。自分で食べることができる人を介助することで自分で食べる意欲を失うことになります…

介護する人は介護保険からの収入で、入居者様が負担しているお金により給料を頂いています。介護保険法には「加齢によって生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態になった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指しています」と記載されており、私たちはそこを目指してケアをしていくものなのです。

私の目指すものが、ただの理想論とならないよう、日々奮闘していこうと思います。

01/14/2022 木瀬